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読書人10/22号発売です!

鼎談=平野克弥・本橋哲也・岩崎稔
<文化と権力の多様な交渉と拮抗を描く>
平野克弥著、本橋哲也訳『江戸遊民の擾乱』(岩波書店)刊行

【今週の読物】
▽著者インタビュー=斜線堂有紀 『廃遊園地の殺人』(8)
▽追悼・色川大吉(新井勝紘)(8)
◇連載=「モリエールの作劇法の影響」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉葉室麟著『蜩ノ記』(瀬戸咲良)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)
◇連載=中平卓馬をめぐる50年目の日記(柳本尚規)(7)

【今週の書評】
〈3面〉 
▽ジャン=リュック・ナンシー著『あまりに人間的なウイルス』(松葉祥一)
▽志村康著『人間回復』(宇内一文)
▽小倉慈司著『古代律令国家と神祇行政』(井上智勝)
▽ミシェル・クルーズ・ゴンザレス著『スピットボーイのルール』(堀エマソン)

〈4面〉
▽ローレン・ローズ著『これだけは見ておきたい 世界のお墓199選』(井上理津子)
▽ダフナ・ジョエル/ルバ・ヴィハンスキ著『ジェンダーと脳』(橋迫瑞穂)
▽奥山淳志著『動物たちの家』(長瀬 海)

〈5面〉
▽吉村萬壱著『死者にこそふさわしいその場所』(陣野俊史)
▽オーランドー・ファイジズ著『ナターシャの踊り 上・下』(小谷野敦)
▽閻連科著『心経』(山口 守)

〈6面〉
▽立花隆著『立花隆 最後に語り伝えたいこと』/長崎文献社編『立花隆 長崎を語る』(松永正訓)
▽伊藤龍平著『ヌシ』(問芝志保)
▽千葉雅也・山内朋樹・読書猿・瀬下翔太著『ライティングの哲学』(森 貴志)

巻頭特集は
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鼎談=平野克弥・本橋哲也・岩崎稔
<文化と権力の多様な交渉と拮抗を描く>
平野克弥著、本橋哲也訳『江戸遊民の擾乱』(岩波書店)刊行を機に

【本紙イントロより】
 岩波書店より、歴史学者の平野克弥氏の『江戸遊民の擾乱 転換期日本の民衆文化と権力』が、本橋哲也氏による翻訳で刊行された(原書はThe Politics of Dialogic Imagination: Power and Popular Culture in Early Modern Japan, University of Chicago Press, 2014)。本書は、バフチンの対話論やフーコーの権力論などの多様な理論を踏まえた著者自身の視座を明示しながら、徳川幕府が風俗に悪影響を及ぼすとして江戸の民衆文化を規制しようとした理由を、歌舞伎や浄瑠璃、戯作や浮世絵の表象を分析することを通して明らかにする。江戸後期から明治時代にかけて急速に変化する社会の現実と統治の仕組みとの矛盾やせめぎ合いを、「身体」や「感性」、文化作品のさまざまな形態に着目して詳細に論じていく過程は厳密かつスリリングである。本書の刊行を機に、著者の平野氏と訳者の本橋氏(英文学・カルチュラル・スタディーズ)、岩崎稔氏(哲学・政治思想)に鼎談していただいた。(編集部)

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日本史の本、あるいは江戸史をめぐる鼎談でありながら冒頭にフーコーやバトラー、バフチン、ジジェク、ウォーラーステインといった欧米の思想家の名前が登場するので本特集をお読みいただく読者の方は意外さを覚えるかもしれません。そのあたりの意味はこの鼎談を読み進めていただくと見えてきます。
 著者の平野克弥さんはどのような意図で本書を執筆したか、次のように語っています。
「私がアメリカに行った一九九〇年代後半には、ポストモダンを経由した後で、時代状況も主体論も変わってきていました。そういう流れのなかで、主体という問題を、民衆というものに繫げてもう一度考えてみたいと思っていました。」
 日本の内側からみる従来の歴史学とは一味異なる、外から見た日本史をぜひ楽しんでみてください。

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【今週末開催!】
<正義の女神は何を裁くのか ―相模原殺傷事件から見た現代日本>
日程:10月24日(日)13時開場、13時30分開始、16時終了予定
※トークと質疑応答は休憩を挟み2時間半を予定
会場:読書人隣り(千代田区神田神保町1-3-5冨山房ビル6階)
参加費:1500円(事前申込のみ)
オンライン配信も同時開催
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 相模原殺傷事件から5年が経った。既に様々な著作や啓蒙書が公刊されているが、この事件の本質はどこにあるのだろうか。障害者差別や偏見にのみ目を向けるのではなく、現代社会の普遍的な問題として捉える必要があるのではないだろうか。
 本書の特徴は、アウシュヴィッツの表象の限界を唱えた映画『ショアー』、アーレント『エルサレムのアイヒマン―悪の陳腐さについての報告』、およびカフカ『訴訟』などを参照し、現代社会に内在する生の選別を正当化する思考や制度・慣習に焦点を当てていることである。人間社会の根源にある「法」とは何か、そして法と「法外」なものとは如何なる関係にあるのか。現代思想を代表するベンヤミン、デリダ、アガンベンらが参照しているカフカの『掟の門』を手掛かりに考えてみたい。

【登壇者】
・西角純志(著者。専修大学講師(社会学・社会思想史)。津久井やまゆり園に2001年~05年に勤務)
・仲正昌樹(哲学者、思想史家。金沢大学教授)
・高橋順一(早稲田大学名誉教授・ドイツ・ヨーロッパ思想史)
・稲垣直人(朝日新聞)
・阿久沢悦子(司会/朝日新聞)

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【ご案内】
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