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読書人11/20号発売です!

対談=森岡正博×佐藤岳詩
<生まれてきたことを肯定するために>
『生まれてこないほうが良かったのか? 生命の哲学へ!』(筑摩選書)刊行を機に(1)(2)

井鯉こま・温又柔・木村友祐・小林エリカ
<未来へ。それぞれのけもの道をゆく>
鉄犬ヘテロトピア文学賞座談会(10)

【今週の読物】
▽映画時評・11月(伊藤洋司)(7)
◇連載=「「自由」と不自由」(ジャン・ドゥーシェ氏に聞く)(聞き手=久保宏樹)(5)
◇連載=〈書評キャンパス〉辻村深月著『子どもたちは夜と遊ぶ上・下』(佐藤みゆ)(5)
◇連載=日常の向こう側 ぼくの内側(横尾忠則)(7)
◇連載=中平卓馬をめぐる50年目の日記(柳本尚規)(7)
◇連載=戯史平成紀〈十一月〉(安倍夜郎)(7)

【今週の書評】
 〈3面〉
▽リー・マッキンタイア著『ポストトゥルース』(塚本晴二朗)
▽ジャン=ジャック・ルソー著/ブレーズ・バコフェン他監修/ブリュノ・ベルナルディ他編『ルソーの戦争/平和論』(佐藤正志)
▽藤居岳人著『懐徳堂儒学の研究』(池田光子)

 〈4面〉
▽氣多雅子著『西田幾多郎 生成する論理』(白石純太郎)
▽シモーヌ・ヴェイユ著『神を待ちのぞむ』(鈴木順子)
▽芦津かおり著『股倉からみる『ハムレット』』(岩田美喜)

 〈5面〉
▽古井由吉著『われもまた天に』(築地正明)
▽上島春彦著『鈴木清順論』(四方田犬彦)
▽林浩平著『リリカル・クライ』(瀬尾育生)

 〈6面〉
▽小池澄夫/瀬口昌久著『ルクレティウス 『事物の本性について』』(小林卓也)
▽マーガレット・アトウッド著『誓願』(出口菜摘)
▽A・N・L・マンビー著『アラバスターの手』(一柳廣孝)

【最新号のご案内】
巻頭特集は
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対談=森岡正博×佐藤岳詩
<生まれてきたことを肯定するために>
『生まれてこないほうが良かったのか? 生命の哲学へ!』刊行を機に

【本紙イントロより】
 早稲田大学教授で哲学、倫理学、生命学を専門とする森岡正博氏が、『生まれてこないほうが良かったのか? 生命の哲学へ!』(筑摩選書)を上梓した。古今東西の哲学や文学や宗教にみられる、誕生を否定する考え方を詳細に跡づけながら、生まれてきたことを肯定するあり方を探究し「生命の哲学」を構想する、画期的な一書である。「人間が生まれてくることや、人間を生み出すことを否定する思想」(「はじめに」)である「反出生主義」に対する理解を深めることもできる。本書の刊行を機に、森岡氏と、専修大学准教授で倫理学を専門とする佐藤岳詩氏に対談していただいた。(編集部)
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今年扱った特集の中で最も難しい内容です。内容もさることながら、テーマである「生命の哲学」は人類の哲学探求の根源でもあるので、今回の対談も思索の途上に位置することになります。

 取り上げた『生まれてこないほうが良かったのか?』の主題である「反出生主義」について森岡正博さんによる解説を抜粋します。

「この言葉には大きく二つの意味があると思います。一つは、自分自身が生まれてこないほうが良かったという、私の言葉でいうと「誕生否定」の意味があり、もう一つはこれから新たに子どもを産み出すことをしないほうが良いという、「出産否定」の意味があります。
 今の日本では、反出生主義という言葉は、前者の意味でももちろん使われますが、むしろ後者の意味で使われる場面がより目立っていますね。反出生主義とは何かという定義自体が、今のところはっきりしておらず、誤解も生じやすい。」

 本書刊行を機に、この問題の議論もより進んでいくことになるでしょう。その証左に佐藤岳詩さんが実際に教えている学生の中にもこの問題に興味を持っている人たちが出てきていると語っています。

 研究者として両者とも「生命の哲学」の問題に向き合いつつも、教鞭をとる立場として学生たちに指導する困難さの話題があがるなど、一筋縄ではいかないテーマなだけに興味はつきません。思索の秋におすすめの特集です。
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【関連記事情報】
2015年1月23日号
小松美彦講演会載録
<尊厳死の問題点を考える>

【本紙イントロより】
昨年11月28日、東京・霞ヶ関の弁護士会館で、小松美彦氏(武蔵野大学教授・科学史科)による講演会「尊厳死の問題点を考える」が開かれた(主催=第二東京弁護士会)。アメリカでは昨年、末期がんで余命半年を宣告された女性(29歳)が安楽死を予告し、自宅のベッドで宣告通りに安楽死を遂げた。そのことは日本でも大きなニュースとなった。また「尊厳死」の法制化の機運も国内では高まりつつある。人間の生をめぐって今、「尊厳死・安楽死」の問題点から回避できない時期が来ているのではないか。この問題を歴史的・哲学的・社会的に基本から解き明かした小松氏の講演を載録させてもらった。
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最新号に関連する特集もそこまで多くはありませんが、類似する話題としてはやはり小松美彦さんにご登場いただいた特集があげられるのではないかと思います。その中でも「尊厳死・安楽死」についての議論も、厳密な対比とはいえないかもしれませんが、議論を深めるという意味で併読推奨です。
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